地を這うクロス

セレッソ大阪、セレッソ大阪堺レディースを中心に、サッカーのことをつらつらと綴る駄ブログです。

最終節福岡AN戦 届かぬ思い

4月5日。チャレンジリーグ2014開幕戦の会場である相模原ギオンスタジアムに向かう車中でテレビ観戦したFIFA U-17 Women's World Cup Costa Rica 2014の決勝戦。志歩のシュートに詰めた明華の先制ゴールは時間差で見たものの車内は歓喜に沸いた。結局それが決勝ゴールになり日本は世界一を手にする。
その直後に相模原ではチャレンジリーグ開幕戦 ノジマステラ神奈川相模原vsセレッソ大阪堺レディースが開催された。

宣言通り世界一を獲った二人の仲間に恥じぬようにと今の自分たちができる精一杯を出し切った。
結局その思いは報われずに2-3で敗れたものの、あの二人がいなくてもやれる。試合終了後の表情からはそんなたくましさを感じ取れた。


しかし、志歩、明華が帰国して最初の試合となったスペランツァ高槻FC(今季優勝を決めた)に2-5と完敗すると、あれよあれよと負けを重ねた。積み重なった負けは“8”。
それでも、桜なでしこの目は死んでいなかった。


昨シーズンの開幕戦で格の違いを見せつけられ大敗したスフィーダ世田谷相手にアウェイで金星を挙げると、世田谷と同様昨シーズンは手も足も出なかった常盤木学園にもATの決勝ゴールで勝利を収めた。
息を吹き返した桜なでしこは、少しずつではあるが着実に勝点を重ね、第21節の愛媛戦に大勝し、現行のチャレンジリーグ残留を決めた。


そして迎えた最終節。相手はあの猶本光を輩出した福岡J・アンクラス。5月のアウェイでの戦いでは、セレッソは連敗中とは思えないパフォーマンスを見せ、後半から途中出場となった咲良の大活躍で一時は逆転しリードしたものの、浮き足立ったDFラインがミスを連発して結局敗戦していた。
その福岡にリベンジする最高の舞台が整った。

前節終了時の順位は
12 福岡AN  20 -22 19(左から順に勝点、得失差、得点)
13 C大阪堺 18 -19 34
14 静産大ク 18 -25 22
だった。来年から再編成され3部制となるなでしこリーグ。1部10チーム、2部10チーム、3部(チャレンジ)12チームと発表されているが、準加盟申請チーム数の関係で、12位に入れば来年は2部に所属することができる。

セレッソは最終節、福岡に勝てば12位以上がほぼ確定(静産大清水第八に大勝した場合はややこしい)するという状況にあり、自力で2部残留を勝ち取れるチャンスだった。
そのためか、トップチームの甲府戦(ヤンマー)とキックオフ時刻が全く同じ13時であったにもかかわらず、あの小さな南津守のスタンドに200人を超える観客が入った。



舞台はすべて整っていた。あとは試合で結果を残すだけ。


が、勝利の女神は微笑まなかった。
全員が自陣に引いて守り、DFラインも非常に深く裏のスペースを使わせてもらえない。
相手の攻撃はロングボールを蹴ってミスを狙う単調なものだったが、セレッソのDFラインもこの一年でさらに伸ばした集中力と粘りを見せてゴールを割らせない。
しかし、セットプレーのこぼれ球を詰められて失点。前掛かりになった後半にも一点を追加され、結局得点は奪えないまま終了。
結局14位でシーズン終了となった。


スタンド前に挨拶に来た選手は全員が顔を上げられないくらい大泣きしていた。
世田谷での初勝利の時と同様、言葉を詰まらせる明華。しかし今回は意味が大きく違う。

悔しさがひしひしと伝わってきて、もらい泣きしてしまったほどだ。


一年間応援し続けてくれたことに対する感謝を述べた明華は、最後に力強く「来年はもっともっと成長していい試合を見せられるように頑張ります」と宣言した。

その決意が、気持ちがある限り、彼女たちを応援し続けようと思った。