前進 第14節
宝田沙織デーから1週間。
日産フィールド小机に乗り込んで日体大に挑んだセレッソ大阪堺レディース。
勝点で並ぶ両チームの対戦は正に天王山。
勝てば優勝、自動昇格に大きく近づくこの試合に大阪から多くのサポーターが詰めかけた。
ホームでは嶋田に反則級のミドルを叩き込まれて敗戦。
カップ戦決勝では90分でドローのPK勝ち。
今度は90分で勝つ!と気合たっぷりのセレッソ。
スタメンは代表に招集された北村のところに森中が入った以外はそのまま。
このところ不発に喘ぐ矢形が序盤から羽座、大賀の両CBを追いかけ回し、ディフェンスラインをずるずる下げさせる。
それに引っ張られるように嶋田もポジションを下げ、攻撃の起点を作らせない。
狙いが完全にハマったセレッソは6分、左サイドに流れて抜け出した矢形から中にクロスが入ると、前節大爆発の沙織の絶妙な落としにこれまた絶妙なタイミングで飛び込んで来たのはかの天才、林穂之香。ファインゴールで早すぎる先制点をゲット。
早々にビハインドを負った日体大は前に出たいが、前線の沙織、矢形に加え志歩、咲良までもキレッキレで両サイドバックを完全に押し込んで攻め手を作らせない展開が続く。
セレッソも追加点を狙うべく、前線でボールを奪って素早くショートカウンターを仕掛けるが、何度もあった矢形のシュートチャンスは全て最後のところでブロックされるなど、追加点を取らせてもらえない。
30分を過ぎてくると少しプレスが剥がされるようになり、前線の目原に楔が入り始め、何度か危ないシーンを作られる。それでも、セレッソは全員で集中を切らさず守りきり、前半はこのまま終了。
後半は開始直後にエンストを起こし始めていた森中に代えて前川を投入。
守備強度の低下が懸念されたがセレッソが苦手にしている平田の不調にも助けられた。さらに「嶋田と一緒に消えていた」古澤にも疲れが見え始めると代わりに筒井を投入、麗奈をCBからボランチに上げてさらに攻撃的に。
対する日体大はかなり効いていたはずの目原を下げて児野を投入してきたが、正直守りやすくなった。セットプレーは高さもあり怖かったが、それ以外にチャンスらしいチャンスを与えず、逆にセレッソは決定機を作るが沙織のシュートは悉く止められる。
そのまま最終盤に差し掛かるが、堺レディースに試合を締めに行くという選択肢などなく、最後までゴールを奪いに行く姿勢を見せる。
終了間際にカウンターからこの日最大のピンチを招くが、シュートは枠外に。
そして最後の最後まで攻め続けたセレッソ。追加点こそ奪えなかったものの、見事に無失点に抑え、ミッション達成。
これで完全な単独首位に。本気で優勝が見えてきた。リーグを獲れば二冠、そして自動昇格。
そのために、穂之香が言った通り「残り4つ、全部勝つ」。
しっかり気を引き締めて、まずは次のスフィーダ戦。
一歩ずつ前進していこう。
今日の井上
いい削りっぷり。最高。
もっと攻撃参加してほしかったけど。